DVDの内容紹介
ディスク1:『ブラザーズ・クエイ ショート・フィルム・コレクション』
「人工の夜景」(1979年/20分)記念すべき処女作。クエイ的妄想の原点。
「ヤン・シュヴァンクマイエルの部屋」(1984年/14分)師と仰ぐチェコのシュヴァンクマイエルに捧げられた作品。この作品で日本にシュヴァンクマイエルが初めて知られることとなった。
「ギルガメッシュ/小さなほうき」 (1985年/11分)古代の暴君ギルガメッシュが三輪車を乗り回し怪物エンキドゥを喜々として迫いまわす不思議なお伽話。
「アナモルフォーシス」(1990年/15分)16世紀末の特殊な絵画技法「アナモルフォーシス」を人形アニメで解説する異色ドキュメンタリー。
「スティル・ナハト I」 (1988年/1分)、「スティル・ナハト II」 (1991年/3分)、
「スティル・ナハト III」 (1992年/4分)、「スティル・ナハト IV」(1993年/3分)クエイ・ワールド全開のミュージック・ビデオの連作シリーズ。
特典映像:BFI(英国映画協会)ロゴ、短編作品『書道家』『サミット』、クエイ兄弟出演映画『ザ・フォール』(監督:ピーター・グリーナウェイ/出演シーンの抜粋版)、クエイ兄弟インタビュー(2006年、アトリエにて)/オーディオ・コメンタリー:「ギルガメッシュ/小さなほうき」「スティル・ナハト I」「スティル・ナハト II」「スティル・ナハト III」
ディスク2:『ブラザーズ・クエイ ショート・フィルム・コレクション』
「ストリート・オブ・クロコダイル」(1986年/22分)闇と歯車が支配する「大鰐通り」で独特の怪奇世界が展開する。原作はポーランドのカフカと呼ばれるブルーノ・シュルツ。日本では1988年に劇場公開されアートフィルムとして画期的な大ヒットを記録した、カルトムービーの記念碑的作品。
「失われた解剖模型のリハーサル」(1987年/14分)野蛮な破壊行為の予感の中に気怠げにたたずむ一組のカップル。フラナゴールの絵画「閂(かんぬき)」から想を得て作られた。
「櫛・夢博物館から」(1990年/17分)眠れる美女が観た奇妙な夢。まどろみに共鳴して痙攣する古びた調度品。女の無意識の層を、パペットが幾重にも梯子を掛けて窺う。
「イン・アブセンティア」(2000年/20分)療養所の一室で取り憑かれたように同じ手紙を書き続ける女性。窓の外で常に変化する光の眺めが、彼女の全ての口実を反映させる。現代音楽作曲家シュトックハウゼンとの共同作品。
「ファントム・ミュージアム」(2003年/12分)富豪ヘンリー・ウェルカム卿が生涯をかけて集めた膨大な人類「秘宝館」コレクションが亡霊のごとく動き出す。
特典映像:クエイ兄弟インタビュー(2000年/人形博物館にて)/オーディオ・コメンタリー:「ストリート・オブ・クロコダイル」「イン・アブセンティア」
ディスク3:「ベンヤメンタ学院」
監督・脚本:ブラザーズ・クエイ/脚本:ブラザーズ・クエイ+アラン・パス/原作:ローベルト・ヴァルザー「ヤーコプ・フォン・グンテン」(集英社版 世界文学全集74巻 カフカ/ヴァルザー)/撮影:ニック・ノウランド/音楽:レシュ・ヤンコウスキ/編集+ミキシング:ラリー・サイダー/製作:フィルム4・インターナショナル(イギリス)+ブリティシュ・スクリーン(イギリス)/制作:コーニンク/プロデューサー:キース・グリフィス+ジャーニン・マーモット/出演:リーザ・ベンヤメンタ(眠れる美女/教師):ALICE KRIGE アリス・クーリジ、ヤーコプ・フォン・グンテン(小公子/生徒):MARK RYLANCE マーク・ライランス、ヨハネス・ベンヤメンタ(学院長):GOTTFRIED JOHN ゴットフリート・ジョン、クラウス(模範的生徒):DANIEL SMITH ダニエル・スミス/1995年ロカルノ国際映画祭若手批評家賞、ティルライド映画祭招待作品、ロンドン映画祭招待作品、ロント映画祭招待作品、ハンブルグ映画祭招待作品1995年/モノクロ/本編105分/英語/日本語字幕/イギリス、日本
●ローベルト・ヴァルザー原作の「ヤーコプ・フォン・グンテン」「白雪姫」「シンデレラ」を元に、アートアニメの巨匠ブラザーズ・クエイが監督・脚本を手がけた初の長編ライブ映画。
愛の迷宮に囚われた眠れる美女と小公子の学院を巡る不思議なおとぎ話。
ディスク4:『ピアノチューナー・オブ・アースクエイク』
監督・脚本:ティモシー・クエイ、スティーヴン・クエイ /製作総指揮:テリー・ギリアム、ポール・トライビッツ/脚本:アラン・パス、ブラザーズ・クエイ/撮影:ニック・ノウランド/衣装:キャンディス・クック/音楽:トレヴァー・ダンカン、クリストファー・スラスキー/出演:アミラ・カサール(マルヴィーナ)ゴットフリード・ジョン(ドロス博士) アサンプタ・セルナ(アサンプタ)セザール・サラシュ(フェリスベルト/アドルフォ)2005年/カラー/本編99分+特典映像80分(予定)/英語/日本語字幕/イギリス、ドイツ、フランス/特典映像:メイキング映像、ロカルノ映画祭記者会見、オリジナル劇場予告編
●アート・アニメーション界の異才、クエイ兄弟による幻想的なアート・フィルム。美しい歌姫の声に魅せられたマッド・サイエンティストが復讐のために危険なオペラ演奏会を企てるさまを実写とアニメを融合させ、詩的かつ頽廃的なタッチで描き出す。製作総指揮は彼らの大ファンだというテリー・ギリアムが務める。
美しい歌姫マルヴィーナは、オペラ演奏会の最中に天才科学者ドロスによって誘拐され、孤島に建つ彼の邸宅に軟禁されてしまう。一方、ドロス博士の邸宅に招かれたピアノ調律師のフェリスベルトは、そこでピアノではなく奇妙な自動機械演奏人形の調律を依頼される。そんなある日、彼は海辺にたたずむマルヴィーナと出会い、心惹かれるのだったが…。
●ブラザーズ・クエイ
1947年、アメリカのフィラデルフィア近郊のリスタウン生まれ。スティーブとティモシーの双子の兄弟。65年から69年にかけてフィラデルフィア芸術大学で学び、その後69年から72年にロンドンの王立美術学校で修士号を取得。在学中に3本の短編アニメーションを製作した。アメリカに戻り、フリーのイラストレーターとしてブックデザインを手がける。活動を始めるが、二次元のグラフィックの世界にフラストレーションを感じるようになり、徐々にミニチュアの制作に惹かれていき、1978年に全米芸術基金を付与され、その後、パペット技術のリサーチを行うために、英国、ベルギー、オランダを旅した。ロンドン滞在中、王立美術大学時代の同窓生で当時British Film Institute (BFI)に勤めていたキース・グリフィスから、“実験”映画のための資金援助を申請してはどうかと提案される。すぐに短編パペット・アニメーション作品のシナリオを起草した二人は、そのままオランダへ向かう。その数ヵ月後、BFIから補助金が付与されたという電報を受け取り、ロンドンへ。2週間の予定でパリを訪れたのに結局25年間暮らすことになったジェームズ・ジョイス同様、その映画製作のために9か月だけロンドンに滞在する予定だった二人もその後25年間ロンドンで暮らすことになった。1本の映画を作る予定が2作目、3作目、4作目と続いていったのだ。その頃、プロデューサーのキース・グリフィスと共に、“KONINCK”という小さな会社を立ち上げ、その後24年にわたって、さまざまなパペット・アニメーション映画をつくってきた。
また、映画以外では、ロンドンおよびヨーロッパ各地で舞台劇、オペラ、バレエの背景のデザインを手がけている。 |