DVDの内容紹介
『かたつもり』
1994年/カラー/40分/1995年山形国際ドキュメンタリー 映画祭奨励賞
●『
につつまれて』から2年、河瀬直美は実の祖母ではないおばあちゃん(養母)と暮らす日々を フィルムに紡いでゆく。えんどう豆の発育を通して描かれた日常のあたたかさが見る者を魅了する。
『天、見たけ』1995年/カラー/10分
●血のつながりを持たないおばあちゃん(養母)と、二人だけの関係で成り立っている“家族のようなもの”。そのおばあちゃんに、触れられるほどの至近距離から向けた八ミリカメラは、足元にある小さくも愛しいものたちを、溢れる想いでとらえていく。畑で収穫されるえんどう豆、イモ、トマト、満開のダリア、グツグツと煮え立つすき焼き……。ことばにならないけれど、そこにたしかにある――そんな想いを日常の一コマ一コマから切り取った、おばあちゃん三部作。
『陽は傾ぶき』1996年/カラー/45分
●『かたつもり』『天、見たけ』に続き、祖母と自分自身をみつめた三部作的作品。河瀬のまなざしは、目の前にある愛しきものにしっかりと注がれている。
作現場を、河瀬が映像でとらえるというドキュメンタリー。緑の山並みが続く西吉野と、建物とひとが密集する東京の繁華街。田舎の高校生と、都会の高校生。被写体との対峙の仕方をめぐって映画監督と写真家の間に生まれた葛藤に、二人の創作姿勢が垣間見える。
●「当時の私は忙しくて、家にいる時間はほとんどないという状況で、おばあちゃんともほとんど会話をしていなかった。でも、カメラを持つことで、おばあちゃんと会話することができたんです」 畑で収穫されるえんどう豆、イモ、トマト、満開のダリア、グツグツと煮え立つすき焼き…。ことばにならない、目には見えないかもしれないけれど、たしかにそこにある―そんな想いを時にユーモラスに、時に切実に日常の一コマ一コマから切り取った、おばあちゃん三部作。 家族とは何か、血縁とは何か。そんな根源的な問いを掘り下げることによって、普遍性を見出す演出力が高く評価され、『につつまれて』とともに海外に河直美の名前を知らしめた『かたつもり』は、劇映画『萌の朱雀』へと向かう契機となった作品でもある。
※ 上記、河瀬は河と表記すべきところですが、システム上やむなく「河瀬」と表記しています。 |