DVDの内容紹介
●作品紹介
『リズム21』
監督:ハンス・リヒター/1921年/3分30秒/35mm/モノクロ/サイレント/ドイツ
ダダの画家であったリヒターによる白と黒の四角の拡大縮小によって描いた抽象映画。絵画にはない時間の要素をリズムと考えたシリーズの最初の作品。
『対角線交響曲』
監督:ヴィキング・エッゲリング/1921年/7分/35mm/モノクロ/サイレント/ドイツ
ダダイズムの画家だったエッゲリングは直線や曲線などによる抽象的要素で、絵画にない時間的な要素を使い、交響曲という音楽を表現しようとした実験的な作品。
『理性への回帰』
監督:マン・レイ/1923年/2分/35mm/モノクロ/サイレント/フランス
レイヨグラムの手法をフィルムに適用し、釘や画鋲、塩や胡椒などをカメラを使用せず直にフィルムに振りかけたりして焼き付けたイメージのコラージュで、最後にかろうじて具象的なイメージとして、女性の裸体が映される。
『幕間』
監督:ルネ・クレール、フランシス・ピカビア/音楽:エリック・サティ/出演:ジャン・ボルラン、インゲ・フリス、マン・レイ、エリック・サティ、フランシス・ピカビア、マルセル・デュシャン/1924年/20分/35mm/モノクロ/サウンド/フランス
『幕間』というのは、そのタイトルが示しているとおり、あるスウェーデンのバレエの幕間に映写されるものでした。私が出たのは、ピカビアとサティの『休演』の場面です。上映は一回しかなされませんでした。私は付髭と葡萄の葉で、裸のアダムに扮しました。イヴをやったのはブローニャというロシアの若い女性で、彼女もやはり全裸でした。ルネ・クレールは上の方の屋根組にいて、私たちに照明をあてていました。そしてそこから彼女に恋をしてしまったのです。彼らは数ヶ月後に結婚しました。私はマッチメーカー、ほらあの結婚の仲人役をつとめたのです!『幕間』にはシャンゼリゼの屋根の上で、私がマン・レイとチェスを指す場面があります。そこにピカビアが水まきホースを持ってやってきて、すべてを洗い流してしまうのです。ひじょうにダダ的でした。そうでしょう。──マルセル・デュシャン
『バレエ・メカニック』
監督:フェルナン・レジェ、ダドリー・マーフィー/出演:アリス・プラン(モンパルナスのキキ)/1924年/14分/35mm/モノクロ、一部カラー着色/サウンド/フランス
キュビズムの画家レジェによるイメージの見事なコラージュ作品。機械の動きや女性の顔などが素早い動きで繰り返され、抽象的な図形のフリッカー的な効果も使われている。
『フィルム・スタディ』
監督:ハンス・リヒター /1926年/3分30秒/35mm/モノクロ/サウンド/ドイツ
眼球などの実写映像と抽象的な画像の組み合わせにより視覚的なリズムを探求した作品。
『エマク・バキア』
監督:マン・レイ/1926年/17分/35mm/モノクロ/サイレント/フランス
路上を走る車、砂浜での波などの屋外の風景も映されている。ストップモーションを用いての簡単なアニメーションなども試されている。
『午前の幽霊』
監督:ハンス・リヒター/1927年/6分/35mm/モノクロ/サウンド/ドイツ
宙を舞う帽子達、勝手に動き出すタイ、柱の後ろに消えてしまう人々…。時計が午前10時から正午を指すまでの幻想的でユーモラスなひととき。実写映像で逆回転や反復、モノクロ反転など映像の運動の実験を行っている。 |