妄想のなかの「女子高生コギャル」を配信
中学、高校時代は、全体的にパッとしないイマイチな日々。あまりにも退屈な時間をやり過ごすために、授業中は漫画ばっかり描いていました。デビューのきっかけとなった『女子高生ゴリコ』もそのひとつですね。
当時、女子高生ブームで、コギャル、ルーズソックス、援助交際とか、何かと女子高生が話題だったんです。でも、ブームについていけない私は、その鬱憤やら当時抱えていたストレスを晴らすようにして、自分はまったく体験していないのに、妄想のなかの「女子高生コギャル」を「ゴリコ」というキャラクターにして、彼女に全部体験させた。
その浮かれっぷりを、ほんの少し嫉妬しながら、これといったオチもつけずに描いた。それが『女子高生ゴリコ』です。
今振り返ってみると、キレイなものやカッコイイものに対する劣等感の反発として、ああいう不条理でシュールな世界を描いていたように思います。
ストーリーは、50分の授業の間に、1話仕上げるというノルマを自分に課して、毎日1〜3本描いていました。完成したら親しい友だちに見せていたけど、「面白いに決まってる」という自負がありすぎて、みんなの反応はあんまり憶えていない。
「ゴリコ」にハマって、学校だけでは飽きたらず、家でも描いて、友だちの家にFAXしていたほどでした(笑)。
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