見たくない実像と変化のきざし
原爆投下を正義みたいに主張するメリカ人が主流を占める中で、ジョン・ダワー(著書「敗北を抱きしめて」)から学んだものが多いですね。ダワーの文章の書き方と分析の仕方は非常にフェアーだと思うし、いい意味でどこか引いている。
日本映画も深作欣二作品(『仁義なき戦い』シリーズ)がアメリカで発見されたのがあまりにも遅かったという理由は明瞭にあるんですよ。見たくないアメリカの実像を描いた日本映画はあまり紹介されていません。無意識に目をそらすというところがある。
『ANPO』の場合もジャパン・ファウンデーション(国際交流基金)やフィルムフォーラム(アメリカのインディペンデントの映画配給・上映組織)からは要りませんといわれましたからアメリカの配給は難しい。まあ、お客が入らないと思うからなのでしょうか。
私の作品はアメリカで配給はされないけれど、日本文化や歴史を教えている全米中の教授たちが、早く学生に見せたいって待ってくれているんです。これまで安保を教える教材が何も無かったから。私がプロデュースした『TOKKO─特攻─』(リサ・モリモト監督/'07年)という映像作品も同様に全米ですでに300枚も売れている。アメリカ人の日本観も少しずつ改まっています。
本作に登場する唯一のアメリカ人、ジャーナリストのティム・ワイナー(著書「CIA秘録」)をあえて登場させようと考えた理由はCIA資金を日本の自民党政治家に流したことをアメリカ人がちゃんと責任とって事実だと日本人に言い切る必要があったし、聞いて欲しかった。
ああいう外交は娼婦とヒモ(自民党政治家と米国の間柄)だと私も思ったんだけど、ティムが本にも書いていないことを喋ってくれたんです。本音はやっぱり響きが違うんですよね。 |